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出会い系サイト(であいけいサイト)とは、インターネット、特にウェブサイトを通じて不特定の男女がナンパや出会いをすることが出来るウェブサイトの総称である。
目次 [非表示]
1 概説
1.1 出会い系サイト規制法
1.2 課金システム
2 違法・悪質なサイト
2.1 迷惑メール
2.2 悪質な請求
2.3 悪質サイトの新手
2.4 悪質サイトの例
2.5 その他の問題
2.6 違法・悪質なサイトへの対策
2.6.1 未成年の保護者向け
3 対策サイト
4 関連項目
5 日本国外の出会い系サイト
5.1 サウジアラビア
6 脚注
7 外部リンク
概説
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出会い系サイトは、インターネットの黎明期より早々に登場したが、当時は「出会い系サイト」という名称は用いられず、元々存在する郵便などによる文通相手(電子メールによる「メル友」)の斡旋や結婚相談所などの延長線という位置づけであった。インターネット上での恋愛が大きく注目を集める原因となったのが、映画やテレビドラマなどのメディアでの「メールなどから始まる恋愛」であった。(映画『(ハル)』(1996年)、アメリカ映画『ユー・ガット・メール』(en:You've Got Mail)(1998年)やフジテレビドラマ『WITH LOVE』(1998年)など)これらのドラマや映画は一定の注目を集め、結果としてメールでの出会いから出会い専門のサイトへと成長していくきっかけとなった。出会い系は当初、パソコンからアクセスするタイプの無料の物がほとんどであった。簡単なチャットと私書箱(メールボックス)、掲示板のみがユーザに用意され、チャットなどで気に入った相手と仲を深める、といった流れで、主催者はサイト内に掲載のバナー広告料などで収入を得ていた。しかし、1999年から、iモードなど携帯電話によるインターネットアクセスサービスが開始されて、携帯電話よりwebサイトが閲覧できるようになると、その手軽さも手伝い、それまでの何倍ものユーザが出会い系サイトに流入するようになった。当初は真剣に出会いを求める男性も女性も非常に多くアクセスをしていた。
しかし、その反面、身元や素性を偽って登録することが可能であり、またそれが許容される環境にあるため、それを狙って近年では援助交際、詐欺、恐喝、暴行殺人など様々な犯罪の温床になっている。[1]また、最近では悪徳なサイト運営者があらゆる手口を使い、後述する迷惑メールやポイントサイトから懸賞目的を装って申し込ませたり、相性占いを装ったサイトに個人のプロフィールを入力して占うをクリックした時点で、本人の意思とは無関係に自動的に出会い系サイトに登録されるといった事態が多発している。
出会い系サイト規制法
出会い系サイトは「面識のない異性との交際を希望する者同士が相互に連絡」できる[2]をという特殊性に鑑み、他のネットコミュニティーにはない規制が課されている。
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(出会い系サイト規制法・出会い系サイト被害防止法)として平成15年(2003年)6月13日にて公布され、平成15年9月13日に施行された。18歳未満の児童を性行為目的で誘い出す書き込みをインターネット上で行なうと行為などを禁じ、罰則化した。さらに、2009年2月1日に施行された同法では営業の公安委員会への届け出義務や、利用者が未成年ではないことを証明するために、免許証やクレジットカードなど個人確認が義務化され、日本国内で運営されている無料の出会い系サイトは事実上消滅した。
ブームは下火ではあるが、ネット上での出会いを求める男女がいる限り、犯罪を含め、消える事は無いと思われる。しかし、結婚情報センターや結婚相談所が運営しているといった法令施行前から年齢・入会資格制限などを設けていた良心的サイトもあり、そちらは比較的危険性は低い。近年では、ソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) が出会い系サイトとして専ら利用されるようになっており[3]、アメリカでは危険性から性犯罪者をSNSから追放する動きまで出ている。
課金システム
一般的な有料サイトは、メールを送信するなどのアクションごとに課金される従量課金制をとっており、まれに初期に入会料と、月々の利用料を支払えば利用が自由な定額制も存在する。無料と称するサイトは、収入は広告料で賄い、ユーザーは完全無料で楽しめるとしているが、その多くが有料サイトの窓口になっているので注意が必要である。
出会いサイトの利用料の支払方法には、クレジットカード、口座振替、電子マネー、コンビニ払い(Cチェック、コンビニダイレクト)などがある。
有料サイトの場合は、特定商取引に関する法律(特定商取引法)の指定役務に該当し、同法でいう通信販売となるため、連絡先窓口となる事業者の名称(さらに法人の場合には代表者か責任者の氏名)、住所及び電話番号等の記載が義務付けられている。
違法・悪質なサイト
出会い系サイトが一つのビジネスモデルとして確立して来るにしたがい、勧誘方法あるいは料金の請求方法などに非常に悪質な手法を用いるサイトが急増し、犯罪の温床であるという問題とは別に、その方法そのものが社会問題化した。主な問題はサクラ[4]、迷惑メールおよび架空請求を含む悪質な料金請求である。
迷惑メール
携帯電話、あるいはパソコンのメールに、突然送りつけられてくる広告が迷惑メールである。初めのうちは、「ついに出来た、完全無料の出会い系サイト」のような、見るからに広告だとわかるメールが多かったが、そのうちにメールの内容が高度化し、「○○○だよ♪」などと人物の名前を騙って届く、「お疲れさまです」「緊急案件」などメールタイトルだけでは広告メールとはわからないメール、タイトルに「Re:」と付けることで返信と思わせるメール、「あなたのパソコンはウィルス感染しています。このサイトにアクセスしてウィルスを駆除してください」と不安を煽るようなものも登場し、より巧妙化してきている。
最近は、「懸賞サイト」から、あるいはそれを装って「当選した」などとのお知らせが入り、そこから当選賞品の内容確認をさせる形で出会い系サイトに誘導し、登録させ、その結果サクラからのメールや次項の悪質請求が頻発しているという例もある。
悪質な請求
無料サイトを騙り、無料なのは登録だけで実際にはメールの送受信などに料金がかかる、無料サイトと同時に有料サイトに登録、あるいは、携帯電話などに来たメールをクリックすると同時に、サイトに登録したことになり料金を請求されるなどの悪質な請求が後を絶たない。このようなサイトの場合、トップページ等には「完全無料!今すぐ登録!」のように表記して登録を煽り、非常に分かりにくい場所に利用規約を置いて「当サイトは登録のみが無料です、利用には別途料金がかかります」などと運営者側に有利な文面だけを表記した上で「利用料金が必要なことはしっかりと規約に明記してあります。読まなかったのはあなたの責任です」のように請求するケースが多い。
また、実際には利用していないサイトから利用料金を請求され、無視していると今度は手数料を上乗せした金額を請求される架空請求詐欺などが指摘されている。この場合、手数料のほかにも「通信費・人件費・調査費・サーバー管理費」など、根拠不明の追加料金が上乗せされることも多い。料金の名目は運営者によって様々だが、共通しているのはいずれも万単位の法外な請求額である。また、これらと同様に期限までに支払いがない場合は債権回収業者に債権譲渡する、裁判所に提訴する、詐欺罪で刑事告訴または刑事追訴する、自宅や勤務先に内容証明郵便の送付、身辺調査をする、住民票や戸籍謄本を取得する、給与や財産の差し押さえ、銀行取引停止、個人信用情報機関のブラックリストに登録するなどと偽って記載し、請求するケースが多い。
架空請求は電話による請求のケースが多く、最初のうちは温和かつ事務的に「出会い系サイトのご利用料金の件でお話が…」と切り出すが、金が取れそうにないと判断すると突如豹変し「お前が使ったんだから払え!払わないと殺すぞ!」などと暴力団まがいの言動で恐喝するパターンが多い。このような請求は、相手にする必要は無い。また、この段階で相手がわかっている情報は電話番号だけであるため、多くの場合は何らかの理由を付けて氏名や現住所、職業などの個人情報を聞き出そうとする。これらと同様に家族の誰かが、支払ってしまい二次被害を受けるケースもある。また、これと同様に出会い系サイト業者の顧問弁護士や裁判所を装い、出会い系サイトの利用料金が未納で業者から訴訟を起こされていると偽って、訴訟の取り下げ費用や未納料金などを請求するケースもある。
「入口」などと書かれたリンクをクリックするだけで契約したことになり、料金が発生するワンクリック契約の被害も報告されている。また、これらと同様に請求メールなどに退会手続きをする方はこちらと書かれたリンクをクリックした場合や利用規約に同意しないまたは同意しませんなどとクリックしただけで自動的に契約が成立する被害も報告されている。これらの被害にあった場合は電子消費者契約法に基づいて契約の無効を主張することが可能である。
このような詐欺は利用料金よりも延滞料の方が高額な場合が多い。これに関しては消費者契約法に基づいて無効を主張することが可能である。
悪質サイトの新手
最近、出会い系サイトのシステムながら、登録者同士が悩みを相談し合うという「悩み相談サイト」なる新たな悪質サイトが登場している。課金制でサクラ多数の典型的な悪質出会い系サイトのシステムだが、出会い系サイトではないと謳っているため、18歳未満の登録が可能である。最近、サクラや利用料金に対する被害者、あるいは前述の懸賞サイトからの誘導による被害者等が増えてきている(2008年2月末に当該サイトは閉鎖された)。
なおこのサイトに対しての利用料金返金請求は現在増加傾向にあり、返金実績もある。返金相談については、各都道府県の消費生活センター等が対応している。
悪質サイトの例
悪質な出会い系サイトの例を以下に記述する。違法でないサイトならば、利用規約にその旨が明記されているので、注意が必要である。
自動課金制
利用料金がマイナスになると、利用者の承諾なしに勝手に課金されるシステム。
同時登録制
登録したとき他の系列サイトにも自動的に登録されるシステム。
「完全無料」との記述
完全無料を謳っておきながら登録すると料金が発生する。
「登録無料」との記述
登録だけは無料だが、利用料金や年会費などが発生する。
退会できない
退会申請を無視して全く受け付けず、退会ができない。又は退会手続きをする方法自体が存在しない。
退会料金の発生
入会料や利用料は発生しないが、退会の際に料金が発生する。
会社概要がない。もしくは偽っている
両方とも特定商取引法違反である。悪質な出会い系サイトのほとんどは会社概要を偽っている。
その他の問題
マルチ商法
特にダイエットサークルなどを装ったものが多い。 「あなたに興味がある」と偽って会い、数回会って相手を安心させてからマルチ商法を行う。 最近は、「懸賞サイト」から当選のお知らせが入り、そこから当選賞品の内容確認をさせる形で出会い系サイトに誘導させ、入会しないと当選商品が確認できないといった例もあり、問題化している。
宗教団体
手口としては上記のマルチ商法と似ているが、待ち合わせの喫茶店などでいきなり何人もの人間に囲まれ勧誘されたりする。
寸借詐欺
「次あったときに返すから」と金品などを借り、別れた後すぐさま連絡不能になる手口もある。
美人局(つつもたせ)
テレクラ等では古典であるが、現在でも同様の事件は後を断たない。ひどい場合は強盗や殺人に発展するケースもある。
デート商法
素性を隠した販売員が、相手におねだりして営業所に誘い込み、高額なアクセサリーや宝石などのローンを組ませるのが一般的手口。
違法・悪質なサイトへの対策
違法・悪質なサイトは利用しない。
利用規約や利用契約をよく読んでから、入会する。
会社概要等が偽っていないか確認する。
メールの受信拒否を設定する。
メールアドレスを変更する。
警察、消費生活センター、弁護士など専門の機関に相談する。
住所など個人の特定できる情報を流さない。
有料サイトの場合は必ず、訪問販売法または特定商取引に基づく表記がある事を確認すること。
有料サイトの利用契約はクーリングオフが適用されないので契約内容をよく確認すること。
未成年の保護者向け
パソコンのフィルタリング機能を利用する。
携帯電話会社のフィルタリングサービスを利用する。
対策サイト
悪質出会い系サイトに対抗して、利用者が悪質サイト、問題サイトを暴くウェブサイトが次々と設立されている。これらの多くは一般利用者からの投稿を受け、問題があったサイトを実名で公表して被害縮小を目指している。 ただし、対策サイトを謳いながら結局悪質サイトへの誘導を促すウェブサイトもあり、利用には注意が必要である。
関連項目
テレフォンクラブ
カモリスト
アダルトサイト
ワンクリック契約
チャットH
出会い喫茶
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)
飯舘村出会い系サイト強盗致傷事件
フィルタリング (有害サイトアクセス制限)
スター・ビーチ
ノエル (コミュニティ)
ピュアラブ (コミュニティ)
プロフ (携帯サイト) - 「前略プロフィール」
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律
特定情報提供役務
日本国外の出会い系サイト
サウジアラビア
家族以外の男性とは会話も顔を見せることも禁止されているサウジアラビアにも出会い系サイトがあり代表的な物としてalmisyar.comがある。 almisyarとはミシャー婚 (Misyar) と呼ばれる権利を限定した婚姻関係にアラビア語の定冠詞であるアル (al) を付けたものである。 サウジアラビアではeメールや電話であっても男女が直接会話をすることを禁止しているため、建前上は男性親族の後見人を仲介して話をしていることになっているが、実際には女性が男性親族のふりをして掲示板への書き込みやメールのやり取りをしていると言われている。 売春は死刑となるため日本のような売春問題は起きていない。
脚注
^ 警察庁統計 平成19年中の出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について
^ インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律 第二条による
^ 「非出会い系」へ移行進む=サイト関連の事件被害-児童からの誘いも大幅増・警察庁
^ 「行政処分受けた「出会い系サイト」 「女性のメール」ほとんど男のサクラ」 J-CASTニュース、2008年5月7日。
外部リンク
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