平成22年度 日本語(留学生)
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Ⅰ (解答用紙Ⅰに記入すること)
〔一〕次の各文の下線部のカタカナを、漢字で書きなさい。
(1)使った道具のテイれをする。
(2)シナモノに手をふれないでください。
(3)日本は天然の資源にメグまれていない。
(4)サイワい、雨には降られなかった。
(5)勉強のサマタげになるのでテレビを消しなさい。
〔二〕次の各文を敬語の言い方になおして、( )の中に書きなさい。
(1)先生に会って、いろいろと話を聞きました。
先生に( ① )て、いろいろとお話を( ② )ました。
(2)へやにいるかどうか、見てきます。
おへやに( ① )かどうか、見て( ② )ます。
(3)あの映画はもう見ましたか。
あの映画はもう( ① )ましたか。
(4)日曜日に先生の家へ行きますが、あなたもいっしょに行きませんか。
日曜日に先生のお宅へ( ① )ますが、あなたもいっしょに( ② )
ませんか。
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Ⅱ (解答用紙Ⅱに記入すること)
〔一〕以下の語と対になるものを、次のA~Dから一つ選んで、記号で答えなさい。
(1) 権利 A 恩義 B 義務 C 義理 D 正義
(2) 収入 A 外出 B 支出 C 進出 D 輸出
(3) 生産 A 空費 B 経費 C 出費 D 消費
(4) 需要 A 給付 B 給料 C 供給 D 配給
(5) デジタル A アナログ B ブログ C カタログ D ダイアログ
〔二〕( )内から適切なものを選んで、解答用紙に書きなさい。
(1)【先生が教室で学生に】
次の授業までに教科書を買って( あって ・ いって ・ きて )ください。
(2)【学生が事務の方に】
この書類にはどんなことが書いて( ある ・ いる ・ みる )んですか。
(3)【学生が先生に】
このテーマについて調べて( あり ・ い ・ み )たいと考えています。
(4)【面接を受ける際のアドバイス】
面接にはきちんとした服を着て( あった ・ いった ・ みた )ほうがいい。
(5)【パーティーで】
あそこで山田さんと話して( いる ・ くる ・ みる )人はだれですか。
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〔三〕以下のそれぞれの文は、どのような推測をしているか考えなさい。「花子は太郎
を好きだ」と考えている場合は○、「花子は太郎を好きではない」と考えている場
合には×を、解答用紙に書きなさい。
(1) 花子は太郎が好きなのではないか。
(2) 花子は太郎が好きなのではないと思う。
(3) 花子は太郎が好きなのではないだろう。
(4) 花子は太郎が好きなのではないかと思う。
(5) 花子は太郎が好きではないのではないか。
Ⅲ (解答用紙Ⅲに記入すること)
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
漫画家になりたいという夢がやぶれ、 a はしたものの、いつまでも b
していられないと思った私は、次に挑戦すべきことを考えていた。
漫画以外に、自分の好きなことは何だろう……と考えた結果、お笑いが好きだという
答えが見つかった。
私は漫才師か落語家になるのが向いているかもしれない。人前でしゃべる勇気はまだ
ないが、修行を積むうちに慣れてゆくんじゃないだろうか。しゃべりのネタなら考えら
れる気がする。①アマチュア無線では c してしゃべれなかったが、慣れればラ
ジオ番組でもおもしろいことをしゃべれそうな気がする。
②これだ!という気がした。お笑いの人としてデビューして、その後はラジオのDJ
や、おもしろレポーターなどでも活躍できるかもしれない。アイドルになりたいといっ
ているんじゃないんだし、それほど無謀なユメではないと思った。
高校卒業と同時に上京した方がいいのなら短大への推薦入学希望を取り消さなくては
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ならない。たぶん、この一学期中には取り消した方がいいだろう。あと一か月半ぐらい
しかない。早く自分の将来の進路を決めなくては、ユメも希望もないあの八百屋を継ぐ
人生になってしまいかねない。
(さくらももこ『ひとりずもう』による)
注 DJ=ディスクジョッキーの略。レコード等をかけながら、解説やその他の話
をする人。
問1 文中の空欄a にあてはまる語を、次のA~Eから一つ選んで、記号で答えなさ
い。
A ズッシリ B ドッシリ C ガッカリ D ドッキリ E ガッチリ
問2 文中の空欄b にあてはまる語を、次のA~Eから一つ選んで、記号で答えなさ
い。
A クヨクヨ B クラクラ C クスクス D グサグサ E グリグリ
問3 下線部①「アマチュア」について、それと反対の意味のカタカナことばを、省略
しない形で、書きなさい。
問4 文中の空欄c にあてはまる語を、次のA~Eから一つ選んで、記号で答えなさい。
A ドサドサ B ジリジリ C ドロドロ D ドキドキ E ジャリジャリ
問5 下線部②「これ」について、その具体的な内容を、「こと」で終わるように書き
なさい。
問6 筆者は、いつ、どこで、何を、どうしているか、簡略に書きなさい。
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Ⅳ (解答用紙Ⅳに記入すること)
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
外国人は、たとえ自分の側に非があると思っても、まずは自分の主張を強弁し、とき
には、①横車としか思えないような理屈で、非を相手に押しつける。そして、②是非は
裁判で争おうというわけだ。その影響を受けてか、日本でも、近頃
ごろ
は、すぐ弁護士に
③依頼するようになった。それでも、日本人は昔ながらの習慣で、できればあやまって
事を④穏便に済ませようとする。あやまれば相手は許してくれる、と心の⑤奥底で期待
しているからだ。たしかに、⑥日本人は、あやまることが大好きだ。というのが言い過
ぎなら、あやまることを、それほど苦にしない、と言いかえてもよろしい。おそらくそ
れは、この国の社会が同質的であり、互いに気心が知れているからであろう。そこで、
あやまりさえすれば許してもらえる、と、つい、そう思ってしまうのである。事実、あ
やまらないと、争いはいよいよこじれ、外国とは逆に、取り返しがつかないことになる。
日本人は、事の是非よりも、むしろ当事者の「誠意」のほうを問題にする。
「( ⑦ )より証拠」などというが、証拠を詮索
せんさく
するより、情に訴えるほうを選ぶ。
だから、「( ⑦ )より情」というほうが当たっていよう。もう、ずいぶん前のこと
だが、何かのゲームをしていたとき、私はヘマをやった。「ごめん、ごめん」といって
許してもらおうと思ったら、相手のひとが「ごめんで済むなら警察はいらない」と言っ
た。そのころ、そんな文句が常套語
じょうとうご
注になっていたのである。相手は、そう言いながら
も許してくれたのだが、そのとき、私はあらためて、なるほど、と思った。たしかに、
あやまりさえすれば、すべてが許されるとしたなら、世話はない。この言葉は、あやま
り好きの日本人の甘えに対して、冷水を浴びせた名言というべきであろう。しかし、そ
うは言いながらも、「ごめん」が通用するところに、日本社会の、よく言えば寛容さ
があり、悪く言えば、“⑧いい加減さ”があるのではあるまいか。
(森本哲郎『日本語 根ほり葉ほり』による)
《注》常套語 ─ ありふれた言葉。
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問1 この文を二分すると、後半はどこから始まるか、その箇所を句点も合わせて、解
答欄のマスを満たしなさい。
問2 下線部①~⑤の漢字の読みを、カタカナで書きなさい。
問3 下線部⑥「日本人は、あやまることが大好き」なのは、どうしようとするからな
のか、また、その結果について説明しなさい。
問4 ( ⑦ )に該当する語を、次にあげた中から一つ選び、記号で答えなさい。
A 情 B 法 C 運 D 心 E 論
問5 下線部⑧「いい加減さ」とは、どういう面を言うのか、説明しなさい。
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